第1回入札の約定価格はほぼ上限値となった。この水準は、新設ガス火力発電所の固定費を5割も上回る。ここまで高い水準の約定価格は海外でも例がなく、発電事業者にとって「濡れ手であわ」の収入になる。反面、容量拠出金を支払う側の小売電気事業者にとっては大きな負担になる。
経済産業省は発電事業者と小売事業者の既存契約の見直しを促しているが、うまく機能する保証はない。主に卸電力取引所から電力を調達している小売電気事業者は負担を転嫁できない。
高値約定となった原因は、いくつか考えられる。1つは、容量市場を運営する「電力広域的運営推進機関」(広域機関)による電源の需要総量の見積もりが過大だったことだ。日本では電力システムの供給信頼性が非常に重視されている。大寒波や大規模災害など、まれにしか起こらないリスクへの対応に至るまで小売電気事業者に負担させた。
2つ目は発電事業者からの応札総量(電源の供給)が過少だったことだ。入札に先駆けて発電事業者が事前に登録した発電容量に対して実際の応札容量が約2000万キロワットも少なかった。そのすべてが問題とはいわないが、一部に電源を出し惜しみした可能性がある。
3つ目は応札価格の算定が過大になるような仕組みだったことだ。応札価格が適切に算定されたものだったのか疑問がある。電力小売り全面自由化前からの古い電源については、すでにコスト回収が終わっていることを理由に経過措置が導入され、結果的に落札価格が高騰してしまった。経産省が策定した「容量市場における入札ガイドライン」も解釈の余地が大きく、過大に費用を見積もっている疑いがある。米国と比べ、日本ではそのあたりの制度設計が甘かったのではないか。
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