──信託銀行が一部の議決権数を集計から除外していた事態をどうみましたか。
衝撃を受けた。会社法上、投票期限は会社が決定して、招集通知に記載すればよい。投票期間は招集通知の発送から2週間あればよく、集計が間に合わないのであれば、株主総会前日よりも前に(議決権行使の)期限を設定できる。
しかし、招集通知に株主総会前日が投票の期限と記載している以上、前日に届いた議決権行使書はカウントしなければいけない。
──三井住友信託銀行とみずほ信託銀行は、調査した過去3カ月の株主総会に関して「賛否には影響がなかった」と強調しています。
結果に影響がなかったから問題ない、とはならない。株主総会決議の方法に法令違反があれば、決議が取り消されるというのが原則だ。
今回のカウントミスは法令違反なので、これ自体が(決議の)取消事由にはなる。ただし、法令違反であっても瑕疵(かし)が重大ではなく、決議結果に影響がなければ、裁判所が(決議の取り消しを求める訴えを)棄却する可能性が高い。
──重大な瑕疵とは?
株主総会の当日、決議に反対を表明している株主の出席を意図的に拒否したようなケースだ。このような場合、事前に行使された議決権だけで全議決権の過半数の賛成が集まり、決議が可決されることが総会前に確定していたとしても、取り消されるだろう。
──例えば賛成多数で可決とされていた議案の議決権数を数え直したところ、実際は否決されていた場合はどうなるのでしょうか。
この点については、最高裁判例がまだない。議決権数を正しくカウントしていれば決議の結果が変わっていたのであれば、決議の取り消し訴訟をするまでもなく、正しくカウントされた場合の決議結果が成立したものとして扱うべきなのではないかという見解もある。
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