すわ、内戦か──とまでいわれた米大統領選挙も、ゆっくりだがバイデン新政権誕生へと向かっているようだ。これを受けて日本では「新政権の下では米国の対中圧力が弱まるのではないか」といった報道が目立つ。
だが、中国はそんなことはまったく期待していないようだ。中国は、「1000の敵を殺すのに800人を犠牲にする」(「環球時報」社説)ようなトランプ路線に辟易していた。しかし、バイデンの民主党政権になったら突然道が開かれるわけでもない。
TPP(環太平洋経済連携協定)で中国包囲網を築こうとし、尖閣諸島は「日米安全保障条約5条の適用範囲」と初めて公言し、フィリピンの尻をたたいて南シナ海問題を常設仲裁裁判所に提訴させ、リバランスで米海軍の戦力の6割をアジアに振り向けた──これらはすべて、オバマ時代の民主党政権がしたことである。
今後は米中の対立から非理性的な要素は少なくなるが、米国が国際協調の姿勢とソフトパワーを取り戻せば対中包囲網は形成されやすくなるというところだろう。
だが、それ以上に重要なのは、米国民の間に対中不信が定着した今、たかだか4年間の圧力減少を念頭に政権運営ができるのか、という視点だ。何といっても中国は長期目標を掲げて進む国である。ゴールは周知のように2035年と49年だ。
なお、10月26日からの中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で35年までの長期目標が打ち出されたのは、単純に「習近平がそれまで国家主席にとどまるため」とはいえない。20年を起点に15年間の発展目標を設けることは、17年の党大会ですでに打ち出されていたからだ。
いずれにせよ中国は、4年後にまた政権が代わり「倍返し」をしかねない米国との関係改善を当てに長期戦略など立てられない。ゆえに登場した経済モデルが「双循環(2つの大循環)」だ。
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