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内需にエンジン切り替える中国経済 キーワードは「新型インフラ投資」と「双循環」

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  • 富坂 聰 ジャーナリスト・拓殖大学教授
国慶節連休中に観光業の業況は急回復、内需の強さを見せつけた。写真は北京郊外の万里の長城(AP/アフロ)

コロナ禍からの復興を目指す中国から、これまで2つの新しいキーワードが発せられた。1つは「新型インフラ投資」で、もう1つが「双循環」(2つの大循環)だ。

前者は財政出動の新しい形で、5G(次世代移動体通信)などの情報インフラ整備を行うもの。リーマンショック後に行われた「4兆元投資」のような野放図な手法を用いずに、当時と同じく世界経済が“中国頼り”になる構図を形成してしまった。

後者は5月14日の党中央政治局常務委員会で発せられた。いくつかの解釈が可能だ。2つの大循環と言いながら、対米関係の悪化やコロナ禍を見据えた「内向き経済」へのシフトが主だと警戒する声も上がった。「鎖国経済」と形容する向きもある。習近平国家主席は慌てて「開放」の重要性を強調するようになった。

中国が鎖国するのか否か、すぐに二項対立に陥るのは日本の悪い癖だ。答えは「どちらか」ではなく「両方」だ。

中国は確かに経済を自国で回すことを重視しているが、対外開放でも窓口は最大口径に開いている。つまり従来のメインエンジンだった海外との循環は補助エンジンへと格下げになるが、使えるものなら使いたいということだ。

武漢での新型コロナウイルス感染拡大当初、困った世界がサプライチェーンを見直す動きを見せ、中国がそれを警戒した。だが感染が少し落ち着いた3月、今度は逆に中国が生産を再開させたのに、欧米で感染が爆発し輸出先を失ってしまった。

この2つの経験から南方の工場経営者は輸出用の製品をネット販売によって国内で売る動きを加速させた。「双循環」はある意味、この動きを後追いした形だ。

そして「双循環」は5月の労働節に続く10月の国慶節の連休で補強された。観光業の売り上げは、国内の旅行者だけで前年比8割弱の回復を実現してしまったのだ。

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