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ライフ #クラシック音楽最新事情

「映画館でオペラ」の魅力 海外旅行に代わる楽しみ

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
METライブビューイング アンコール2020は、東京・大阪・神戸・名古屋の4都市で開催中

コロナ禍によって海外旅行が制限される中で、自宅にいながら美術館や遺跡を巡る旅を楽しめる「バーチャル・オンラインツアー」の人気が高まっているという。今、クラシック業界にもこれと似た動きがある。8月上旬に始まった「METライブビューイング アンコール2020」のキャッチコピーは、「この夏、オペラで世界を旅しよう」というものだ。

プッチーニのオペラ『蝶々夫人』で描かれる恋愛の悲劇の舞台が日本の長崎であるように、オペラでは、世界中の国や地域が舞台となっている。今回のアンコール上映の多様な演目におけるそれぞれの地域性は、まさに“オペラで世界旅行”というにふさわしい。

METライブビューイングとは、米ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)の最新オペラを日本の映画館で上映するものだ。2006年にスタートして、今年で14年目。オペラ鑑賞のあり方の1つとして、浸透しつつある。日本にいながら、ニューヨークの劇場を訪れた気分で上質なオペラに触れられる。この意味でもMETライブビューイングは“オペラでの旅行”なのである。

「世界最高峰」を映画館で

今回は過去の上演作品のアンコール上映というわけで、ラインナップはMETでとくに評判のよかったえりすぐりの演目ばかり。また、特筆すべきは、各演目で発揮されるカメラワークだ。エジプトが舞台の『アイーダ』では、壮大な“凱旋の行進”を俯瞰でき、スペインの港町セビリアが舞台となる『ドン・ジョヴァンニ』では、希代の色事師ドン・ジョヴァンニが街角で女性を口説く姿を手の届きそうな距離で目撃できてしまう。舞台に立つ演者を劇場内の席から肉眼かオペラグラスで、という通常のオペラ鑑賞では決して見ることのかなわない構図の連続だ。

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