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「もう次の波は来ている、短期間で体制構築を」 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長 大曲貴夫

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週刊東洋経済 2020年7/18号
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新型コロナウイルスの感染者で、集中治療室(ICU)がいちばん逼迫して危機的だったのは、4月の第2週から第3週にかけてのことだ。

おおまがり・のりお 1997年、佐賀医科大学(現・佐賀大学)医学部卒業。テキサス大学ヒューストン校感染症科、静岡県立静岡がんセンター感染症内科部長を経て、2012年から現職。東京都のアドバイザー。

この頃、当センターで人工呼吸器を装着している患者が最大8人いた。新型コロナ患者に充てていた6床分のICUが埋まり、残り2人は一般病床で治療するしかなかった。同じ病原体の肺炎で、重症化した患者がここまで増えた経験は私にもなかった。通常ではまずありえない状況だ。

人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を装着した重症患者には、通常の3倍の人手がかかる。また新型コロナの場合、人工呼吸器を2〜3週間と長期にわたって利用することがザラにある。回復まで時間がかかり、ベッドもなかなか空かず悩ましかった。

4月に緊急事態宣言が出てほかの病院も動き出したが、それまでの感染症指定医療機関だけで何とかしないといけない状況は限界に近かった。ひとたび新型コロナのような感染症が流行すると、指定医療機関の陣容では全然足りない。

私は中東呼吸器症候群(MERS)の流行時に韓国に派遣され、ソウル中の病院機能がマヒした事態を知った。今回、東京で起きたことと状況はまったく一緒で、韓国が新型コロナに迅速に対応できたのは、間違いなくMERSの経験があったためだ。日本も今回のことで学んで、短期間で体制を構築することが欠かせない。

確かに4月に来た最初の波はやり過ごして、検査体制、受け入れ病床の確保や宿泊療養の仕組みもできたが、すでに次の小さい波は来ている。まだまだこれからだ。

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