解答は「オリンピツクイヤー」でした

解説
ここ数年、人々が未来を語るとき「2020年までには」を合言葉のようにしていた。オリンピックイヤーを「区切り」や「メド」と感じたからだろう。五輪開催の前後で国が大きく変貌するという印象を、人は持つのかもしれない。
前回の東京五輪が開催された1964年はまさにそうだった。『週刊東洋経済』64年新春特大号にある「オリンピックと“経済学”」という記事から当時の状況がうかがえる。冒頭、前年の政府調査では大会が10月に開催されることを知っていた国民は2割程度とあり、大会自体への事前の認知度や期待は低かったのだと驚かされる。一方で、大会開催に伴う道路・交通整備について記事は「オリンピックがあろうがなかろうが必要」「オリンピックは要するに、錦の御旗」と述べ、間接的経費を投資する意義を強調する。
実際、この大会では直接的な開催経費の総額が約265億円だったのに対し、道路、新幹線、地下鉄の整備など関連事業の総額は約9608億円とされ、97%以上を間接的経費が占めていた計算になる。この年の東海道新幹線開業や、羽田空港の滑走路再拡張などで、確実に国の姿は変わった。
では、今年迎える東京五輪はどうか。開催のための直接的な大会経費は招致前の時点では約8000億円とされていたが、国の支出が膨らみ続けるなどし、合計3兆円を超えそうだ。一方、五輪関連の道路・交通整備の総事業費は2兆〜3兆円規模とされる。五輪開催に合わせた高輪ゲートウェイ駅などの新駅開業や、五輪が市場拡大の本命と目される5G(第5世代移動通信システム)の商用サービス開始といった、五輪を契機とする事業の社会的効果や経済的波及効果は確かに予想される。だが、五輪開催のためパッと使ってしまう金の比率が前回より格段に高まったのは明らか。新設会場施設の多くが「負の遺産」になると懸念されてもいる。
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