2020年も、安倍晋三政権の財政再建への取り組みはずるずると後退しそうだ。
19年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられた。安倍政権下で2度の延期を挟み、当初予定の15年10月から4年後の実現である。それでも20年度の国・地方の基礎的財政収支(PB、国債費を除く歳出から税収・税外収入を引いた収支)は12.1兆円(対GDP〈国内総生産〉比2.1%)の赤字が残る(政府推計)。
この赤字をどのように圧縮していくのか。20年には「消費税10%後の財政再建プラン」を明確にすることが期待されるが、安倍政権では、従来からの経済成長頼みの姿勢と、世界的な超低金利を背景とした財政規律弛緩が続いている。
「20年=黒字化」だったが
国民の記憶は薄れているかもしれないが、つい1年半前の18年6月まで、政府は20年度のPB黒字化を目標としていた。その際、安倍政権が原動力と考えたのは、経済活性化による税収増だった。「経済再生なくして財政健全化なし」の標語の下、大規模な金融緩和を中心としたアベノミクスを推進した。
一定の効果はあった。第2次安倍政権発足後の13年度に一般会計税収は47兆円だったが、14年の消費増税もあって18年度には60.4兆円まで拡大、バブル期の税収を超えた。だが、これだけではPB赤字を消せず、一方で幼児教育無償化など歳出増が顕在化し、PB黒字化目標は20年度から25年度へ先送りされた(政府推計では、25年度もGDP比1%前後の赤字)。
最大の問題は、税収増が一巡してきたことだ。企業業績の減速で法人税収が伸び悩み、19年度の一般会計税収は当初計画の62.5兆円から2兆円強下振れすることが確実となった。物価や賃金の伸びが鈍く国民の景気拡大の実感は薄いが、2%台前半の完全失業率や1.5倍以上の有効求人倍率から経済はすでに完全雇用・フル稼働の状態だ。安倍政権は20年度以降も従来と同様の税収の伸びを想定するが、実現は不透明だ。
この記事は有料会員限定です
残り 524文字
