東京ガスの内田高史社長はこれまで脱炭素化に懐疑的で、二酸化炭素(CO2)排出量の低減にとどまる「低炭素化が現実的」としていた。しかし2019年12月、東京ガスは日本の大手エネルギー企業として初めて、CO2排出ゼロの「脱炭素化」に取り組む経営ビジョンを示した。
──エネルギー業界の将来をどのように展望していますか。
業界を取り巻く環境変化の要素は大きく4つある。すなわち、①脱炭素化の潮流、②デジタル化など急速な技術革新、③「モノ」から「コト」の消費へのシフトなど、ユーザーの価値観の変化や多様化、④異業種からの参入を含めたエネルギー自由化の進展、である。
こうした変化は飛躍へのチャンスでもあるし、対応できなければジリ貧になる。
──内田社長は従来、脱炭素化に懐疑的でした。
世の中の流れは脱炭素化に変わってきている。エネルギー事業者として早急に対応策を決めなければならなかった。新たな経営ビジョンでは、「CO2ネット(実質)ゼロへの挑戦」を掲げた。
50年ごろを見据えて、ガス、電力などエネルギーの供給先を含めてのCO2ネットゼロに挑戦する。そのためにまず10年後の30年に向けて、日本政府の温室効果ガス削減目標の26%(13年度比)を上回る削減率27%に相当する1000万トン規模のCO2を削減する。
具体的には、ユーザーに対して重油や石炭からCO2排出量の少ない天然ガスへの燃料転換を促すことや、エネルギー効率の高いガスコージェネレーション、再生可能エネルギーの導入が柱になる。当社は天然ガスの販売量を増加させる一方、燃料転換などにより顧客先でのCO2排出総量を減らす。
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