2020年に年間4000万人──。政府が掲げる目標に向けインバウンドが順調に増加している。だが、その恩恵を享受する宿泊業界に、高級ホテル・旅館を運営する星野リゾートの星野佳路代表は警鐘を鳴らす。
──20年は東京五輪の開催という追い風が吹きます。
確かにここ数年、東京五輪に向けて増加するインバウンドの取り込みで、宿泊業界は活気づいた。ただ、東京五輪でそれが一段落すると、業界は大きな目標を失うことになる。その後もインバウンド市場が成長し続けると信じるのではなく、課題を抱える五輪後の宿泊市場が本当に伸びるのか、真剣に考えるべきだ。
──五輪後の課題とは。
まず25年に向けて、今の旅行市場を支える団塊の世代が後期高齢者になっていき、必ず減速する。さらにインバウンドも、(全体の約4分の1を占める)韓国人客が足元で半減している影響が、来年から通年で効いてくるはずだ。
──それらの要因を踏まえ、20年の国内ホテル市場の動向をどのように見込んでいますか。
東京や大阪、京都など、これまでインバウンドの成長を引っ張り投資が集中してきた都市で、一時的な供給過剰が発生するだろう。これはホテル産業の発展において避けては通れない新陳代謝で、決して悪いことではない。むしろそういうときこそ、星野リゾートのような運営会社の真価が問われる。誰が運営してもうまくいく近年の宿泊市場では、あまり出番がなかった(笑)。
悪評恐れずファンを獲得
──供給過剰の市場において、何が勝敗を分けるのでしょうか。
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