東日本大震災による福島での事故をきっかけに、原子力発電の安全神話は崩壊した。それでも電力会社はエネルギーの安定供給のために原発は必要だとして、再稼働を進めてきた。その際、社会の信頼は最も重要な要件であり、電力会社にはかつてのような不透明なやり方との決別が求められた。関西電力で露見した今回の不祥事は、そうした社会の期待を踏みにじるもの。原発を運営する資格はないと批判されるのは当然のことだ。
しかも関電の場合、社内で不正が発覚した後も、取締役会や株主総会に報告されず、隠蔽が続けられてきた。関電が内部調査のアドバイス役として起用した検察OBも隠蔽に加担した。コンプライアンスがまったく機能していなかったことに言葉を失う。
遅きに失したが、関電は社会からの厳しい批判を受けて、第三者調査委員会に検証を委ねる方針を示した。
第三者調査委員会の責務
新たに発足した第三者調査委のメンバーは、委員長の但木敬一弁護士(元検事総長)をはじめとして法曹界でのキャリアは申し分ない。しかし、いずれの委員も、自ら証拠収集する調査を行った経験はほとんどないと思われる。15人の弁護士による調査チームが編成されるというが、誰が統括するかも明らかにされていない。
この記事は有料会員限定です
残り 367文字
