イーロン・マスクは、スティーブ・ジョブズ亡き後のカリスマだ。熱狂的なファンも多いが、その奇矯な言動は物議を醸すこともある。
1971年に南アフリカ共和国の首都プレトリアの白人家庭に生まれた。子供時代、SF小説とコミックに夢中になった。不思議なことに第7回で紹介したピーター・ティールとほとんど同じ本に夢中になった。スポーツにはまったく興味がなかったようだ。
10歳のときにコモドールのパソコン「VIC-20」を買ってもらい、プログラミングを独習した。ほどほどに上達したが、天才的というほどではなかったようだ。
88年、17歳のとき、マスクは母親の親戚を頼ってカナダを目指した。1年ほどアルバイトをした後、89年にオンタリオ州のクイーンズ大学に入学。92年、奨学金を得て、米国のペンシルベニア大学に編入学した。その後、経済学、物理学の学位を取得している。
学位取得後、西海岸を目指し、高エネルギー物理学を学ぶべくスタンフォード大学大学院に入学するが、2日で退学したという。飽きっぽく、じっとしていられない性格のようだ。
95年、弟のキンバルと共に、パロアルトに「Zip2」を設立、猛烈に働き、誇大に宣伝しながら驀進(ばくしん)する。99年にコンパックが同社を3億ドル以上の高値で買収した。これで得た資金でXコム社を設立した。さまざまな経緯を経て、Xコムはペイパルとなる。
2002年、イーベイがペイパルを15億ドルで買収する。こうしてインターネットの波にうまく乗ったマスクは、極めて短期間に巨大な資本を手中にする。
この資本を使って宇宙ロケット製造のスペースX社、太陽光発電のソーラーシティ社を設立。電気自動車のテスラにも投資した。
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