ソフトバンクグループ(SBG)の通信子会社・ソフトバンクが2018年12月に東証1部に直接上場したことで、親子上場の是非が再び注目を集めた。日本郵政など親子3社が同時上場した15年よりも、批判的なトーンが強いようだ。
それは3年前に比べて、投資家によるコーポレートガバナンス(企業統治)への意識が高まっているからにほかならない。
東証幹部は「親子上場を禁じている取引所は存在しない」と解説する。海外に例がないわけではない。独ポルシェ・オートモービル・ホールディング(親)と独フォルクスワーゲン(子)などだ。オランダにも例がある。ただ、ほかの国の取引所が禁じておらず、例もあるからといって、親子上場に問題がないと言い切れるのか。
最大の問題点は、親会社以外の子会社株主の権利が十分に確保できないおそれだ。例えば、親会社・SBG会長兼社長の孫正義氏の意向に反して、子会社であるソフトバンクの経営陣が独自に経営判断できるのかという疑問である。時に親会社と子会社とで経営判断が違うことは起こりうる。
東証1部上場企業のうち親子上場している子会社は、本誌の調べでは1月末時点で138社ある。うち54社は時価総額500億円未満なので、時価総額基準によって新1部に残れない可能性がある。焦点は時価総額500億円以上の上場子会社84社だ(記事下表)。時価総額基準をクリアしているが、親子上場というガバナンス上の問題を抱えている。
84社中9社は時価総額が1兆円超。とくにNTTドコモは9.8兆円、ソフトバンクは6.4兆円、ゆうちょ銀行は5.7兆円。これら3社は突出して巨大である。そのため、親子上場している子会社を1部上場からすべて外すとなると、時価総額の減りが大きすぎて、TOPIX(東証株価指数)の指数としての連続性に支障が出かねないという懸念はある。
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