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阿波おどりの混乱から学ぶ教訓 くすぶり続ける火種

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  • 木下 斉 まちづくりビジネス事業家
総踊りをめぐる混乱もあり、人出は15万人減少した(アフロ)

地域活性化の失敗例としてありがちなのが、「イベント地獄」に陥ることだ。集客目標が毎年定められ、観光振興の名目で自治体は多額の補助金を投入する。運営主体は望まぬ拡大を強いられ、いつしかイベント開催そのものが目的化。赤字構造が放置され、消耗していく──。

その象徴といえるのが徳島の夏の風物詩である阿波おどりだ。主催者の1つである徳島市観光協会が4億円超の累積赤字を抱えていることが発覚し、昨年3月に破産手続き開始を申し立てた。8月に阿波おどりは行われたものの、フィナーレに全員参加で行う総踊りを実施するかどうか、祭りの当日まで引きずる大混乱。4日間の人出は約108万人と、前年比で15万人減った。

混乱の火種はいまだにくすぶっている。「阿波おどり事業検証有識者会議」は1月24日、提言書を出した。収支の責任を明確化するため、事業を民間委託するというのが主な内容だ。

「事業の課題の一つは、赤字となった場合の責任の所在が明確ではないということです。(中略)徳島市観光協会では、徳島市が損失補償をしていたために、収支均衡に対する視点が欠如し、当事者意識が希薄になった」と提言書では指摘されている。

ただし「公益性のある部門に対して補助金を支出するのは良い」としており、市の補助金は継続する前提だ。運営体制も、実施主体である阿波おどり実行委員会、その諮問機関である阿波おどり運営協議会の2層構造が存在する中で、さらに運営を外注するという複雑な組織図が提案されている。問題解決を図るうえで組織を複雑にしてろくな結果が出ないのは、企業経営も地域経営も同様である。

提言書を受けて、阿波おどり実行委員会は民間委託を今年から開始する方針を示しているが、予断を許さない。

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