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「志」より「部数」を重視 あの編集者の仕事術 『共犯者 編集者のたくらみ』

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共犯者 編集者のたくらみ (芝田 暁 著/駒草出版/1800円+税/328ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

【著者プロフィル】しばた・あきら/1965年生まれ。大月書店、徳間書店、幻冬舎で書籍編集者を務めた後、出版社スパイス創業。廃業を経て、ポプラ社、朝日新聞出版へ。現在、宣伝プロモーション部専任マネジャー。早稲田大学文学部非常勤講師も兼任。

徳間書店や幻冬舎にてエンターテインメント系小説でヒットを連発。今や大家となった浅田次郎に初めて単行本を書かせた男だ。帯には幻冬舎社長の見城徹が推薦文を寄せる。編集者の自伝となれば、熱い男を想像するだろうが、見事に期待を裏切ってくれる。

文芸の編集者と聞けば特殊な職業と思うかもしれないが、著者は営業マンと変わらないと語る。重要なのは志でなく部数。小説を作家と送り出すパートナーではあるが、売れ行きを度外視しても作家に寄り添うお人好しの伴走者ではない。

冒頭のシーンが象徴的だ。担当作家の直木賞受賞の発表を一緒に待ち構えていた編集者達が落選の通知とともに潮が引くように消える。その場にいた著者も最低限の役目は果たしたと、いつ立ち去るかのタイミングだけをうかがう。そこには、作家の人間性や文学性への尊重はない。商売だけで作家づきあいをしている身としては、朝まで作家と飲み続ける姿勢が信じられないとも言い切る。

ビジネスの世界ではヒット商品や新しいモノは既存の商品の組み合わせから生まれる場合が大半だ。編集者の仕事も変わらない。

世間では「敏腕編集者はどこからか才能を発掘する」ともっともらしく語られるが、著者は「芋じゃあるまいし」と一笑に付す。才能は埋まっていない、すでに転がっているのだと。書店に足繁く通い、本棚の前に立ち、一冊でも多くの本をめくる。気になる著者がいれば素早く連絡を取る。依頼が成功すれば、朝晩家に立ち寄り、原稿を書かせる。その積み重ねがヒット作を呼び込む。まさに営業マンと姿が重なる。

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