飄々(ひょうひょう)として飾るところがない。セーターにデニム、それにスニーカーといったいでたち。腕時計もしない。入館カードか何かを入れたプラスチックケースだけは律儀にも首からぶら下げている。長いことアダルトビデオ(AV)業界の「黒幕」などと呼ばれてきた男にギラギラしたところやアクの強さはない。むしろ脱力系といったほうがいい。
「エロやってればたたかれる。目立たないようにせざるをえなかったよね。今は発信していかないと、社員が色眼鏡で見られてかわいそうだから。やってることを隠すつもりもないしね」
DMM.com(ディーエムエムドットコム)グループを率いる亀山敬司は以前、マスコミどころか社外の付き合いもほとんどなく、飲みに行くのも年に2~3回。謎の経営者といわれた。極端な話、「本当にいるのか?」とささやかれたほどだ。
AV業界で「エスワン」や「ムーディーズ」といった有力レーベルを育て、流通システム「アウトビジョン」に他メーカーを次々引き入れる経営手腕は、川上から川下まで制する一大帝国を築き上げた。
この記事は有料会員限定です
残り 4826文字
