有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #保険の罠

民間生保の保険料は事業費に消える アフラック vs. 都道府県共済

3分で読める 有料会員限定
  • 後田 亨 オフィスバトン「保険相談室」代表
(noskaphoto / PIXTA)

アフラック生命と都道府県民共済は、筆者にとって「教材」のような存在だ。加入件数が近いことから、その他の開示情報を比べてみると「保障を提供する組織のあり方」について考えさせられることが多いのだ。

図表は、2018年のディスクロージャー誌からまとめたものだ。主な収入には2倍以上の差がある。

注目したいのは、保険料収入に占める事業費の割合だ。収入と事業費率の関係は、家計におけるエンゲル係数に例えるとわかりやすいかもしれない。

保険数理の専門家は「収入と貯蓄性商品の扱いが増えると事業費率は下がりやすくなる」と言う。貯蓄性商品では保険料に対する払戻額が重視されるため、保障目的の保険に比べ保険料に事業費を反映させにくい。たとえば、団体年金の扱いが多い生保大手の場合、事業費率は下がりやすくなるわけだ。

都道府県民共済に貯蓄性商品はない。アフラックも掛け捨ての保険が主体だ。ところが図表のとおり、事業費率はアフラックのほうが高い。保険料収入に運用益などを加えた経常収益で事業費を割っても19.6%に達する。

ケタ違いの苦情件数 おカネの透明性も違う

アフラックの代理店は17年度末で1万1042店、募集員数(提携金融機関・第一生命ほかの保険会社・個人代理店主・法人代理店代表者は除く)も11万人弱に達するが、都道府県民共済の普及員は1500人(18年7月末現在)だ。事業費率の違いは、人件費の違いが大きいのではないか。

事業規模の拡大は、保障が役に立つ機会を増やすに違いない。ただし「苦情」の発生数は、アフラックが10万8411件なのに対し、都道府県民共済は1511件だ。苦情の定義に左右される面もあり、他社との比較でアフラックの発生率が高いとも感じないが、興味深い数字だ。さらに、おカネの流れの「透明性」も違う。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数