トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で殺されたとされるジャーナリストのジャマル・カショギ氏は、トランプ米大統領と少なからぬ因縁がある。
カショギ氏はサウジアラビアの皇太子批判で有名だったが、実は体制の中枢に身を置く一族の一員でもあった。カショギ氏の祖父に当たるムハンマド・カショギはサウジアラビア初代国王であるアブドゥルアズィーズ・イブン・サウードの侍医だった。また、カショギ氏の叔父であるアドナン・カショギ氏は武器商人として羽振りを利かせていた人物だ。
そのアドナン・カショギ氏は莫大な富を使って豪華なヨットを建造したが、後に手放す。それを購入したのが、トランプ氏だ。
トランプ氏は、中間選挙を控えていることもあり、カショギ氏殺害事件への関与が疑われているサウジのムハンマド皇太子と距離を取ろうとしている。しかしトランプ氏は、2016年の大統領選挙戦中に「サウジはよいビジネスパートナーだ」と豪語していたほど、サウジとの関係はよかった。
米国の中東政策の要はサウジアラビアであり、ムハンマド皇太子との関係も深い。
ムハンマド皇太子にはこれまで、「既存のサウジの体制を変えようとする改革者」というイメージがあった。ただ、これは皇太子の一面にすぎない。
実はもう1つ、自分に対する批判を許さず、残忍で乱暴な性格も見えていた。その例が隣国イエメンとの戦争だ。誤爆で学校や病院が破壊され、子どもの犠牲者が増えた。またイエメンへの食糧輸送がストップし、何百万人もが餓死の危険性に直面している。このイエメン戦争を主導しているのがムハンマド皇太子だ。
また、いわば同じ体制内部に属していたカショギ氏がムハンマド皇太子への批判を続けたことに対し、「裏切り者」という感情が高じたのかもしれない。
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