有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #少数異見

ユーフォリアに陥った訳 MRJ、運命の分かれ道

3分で読める 有料会員限定

人にも企業にも運命の分かれ道がある。東芝と三菱重工業にとっては2006年、ウエスチングハウス(WH)の入札だった。6000億円の値段をつけた東芝が競り落とし、三菱重工の幹部は「2000億円の企業価値しかない。経済合理性はどうなる」と吐き捨てたが、その後の東芝の運命はご承知のとおり。では、三菱重工の運命はどうなったか。

三菱重工はWH買収のために用意したカネを航空機事業につぎ込む決断をした。MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発着手である。が、こちらもハラハラ、ドキドキのダッチロールが続いている。あえて後講釈すれば、こうなった一因は、開発初期のユーフォリア(超楽観主義)にある。

顧客は三菱の技術力におそれ入る、と思ったのだろう。当初、MRJの主翼は炭素繊維複合材で造る計画を立てた。が、近距離を飛ぶ中小エアラインはコスト第一。割安のアルミ主翼への変更を迫られ、貴重な初動時間を失った。

ボーイングとの関係についても楽観的だった。MRJの最大の関門は米国連邦航空局(FAA)の型式証明を取ること。そして事実上FAAを牛耳るのはボーイングだ。重工首脳はうそぶいていた。「ボーイングは中・大型機で忙しい。737のような小型機はうちに任せてくれればいいんだよ」。

「国」がかき消す責任意識

いやいや、737どころか、ボーイングはMRJクラスも任せる気はない。この7月、ブラジルの小型機メーカー、エンブラエルを傘下に入れ、MRJの「敵」となることを宣言したのである。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数