有料会員登録 東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #医学部&医者の大問題

裏口入学に揺れる文部科学省 どこまで落ちる?

3分で読める 有料会員限定
佐野太・前局長の逮捕を受け、会見する林芳正・文部科学相(Photo/The Asahi Shimbun/Getty Images)

文部科学省の佐野太前科学技術・学術政策局長が息子の裏口入学を見返りに東京医科大の事業採択に便宜を図ったとして受託収賄容疑で逮捕された事件は、省内と大学業界に大きな衝撃を与えた。利権をめぐる文科省と大学の根深い癒着構造をあらためて浮き彫りにした。

「こんな古典的な裏口入学がまかり通るなんて。驚きを通り越してあきれている」。事件の一報を聞いた文科省の中堅職員はそうため息をつく。

かつては「公然の秘密」ともいわれた裏口入学だが、最近は表ざたになることが少ない。ただ、このタイミングで愚行が露呈した背景には、文科省が大学の財布のひもを握る高等教育行政の変化がある。

強まる文科省の影響力

文科省は大学運営の資金として学生数などに応じて国立大に運営費交付金を、私立大には経常費補助金を支給する一方、科学研究費に代表される競争的資金を出し、独自性のある研究や取り組みを促してきた。ところが2000年代以降、厳しい財政状況から「選択と集中」が叫ばれるようになり、運営費交付金と経常費補助金は徐々に削減される。

競争的資金の比率は04年度に法人化した国立大だけでなく、私立大でも上昇の一途をたどっている。少子化により、つねに学生が定数を割り込むような不人気の大学は資金を得られず、それによって研究も滞るという悪循環に陥っている。

そうして競争的資金の奪い合いが激化すると、文科省の影響力は強まる。大学にとっては文科省とのパイプは死活問題となり、癒着の温床になる。東京医科大が事務次官候補と目された前局長との関係を重要視したのは、目先の事業だけでなく今後も見据えての判断だったことは想像に難くない。

17年1月に発覚した大学などへの違法な天下り斡旋問題も根は同じだ。行政経験のない大学職員は行政に提出する書類も満足に書けず、競争的資金の獲得で不利になる。大学が文科省OBを積極的に受け入れることで、持ちつ持たれつの関係が維持される。文科省は天下り問題の後、「国民の信頼を回復する」と繰り返してきたが、汚職事件で水泡に帰した感は否めない。「省内で綱紀粛正が叫ばれていたさなかに、なぜ接待を受けたのか。脇が甘い」。別の幹部職員はそう吐き捨てる。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数