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過日、夕食後に何気なくテレビをつけると、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を放映していた。エピソード4は1977年、シリーズではじめて上映されたものである。もう懐かしくて懐かしくて、思わず見入ってしまった。
たしか「ライト・サーベル」と呼んでいた世代である。あのころは原語のまま「セイバー」といっても、たぶん誰もわからなかった。いわゆるグローバル化の進展は、こういう些細(ささい)な小道具の名称一つにもかいまみえる。
当時は若かった俳優も、みな年老いた。レイア姫を演じたキャリー・フィッシャーは数年前に亡くなっているから、ここでも時の流れは容赦ない。そして久々に視聴した筆者自身にも、それはいえそうである。
唯一の良心だった元老院
エピソード4の物語は、そのレイア姫が銀河帝国軍に捕らえられるところからはじまる。姫は帝国元老院議員で、皇帝の圧政に反抗し、共和国の復興を成し遂げるべく活動していた。くだんの「帝国元老院Imperial Senate」とは、共和国が滅亡して以後、帝国に残った唯一の良心ともいうべき存在である。これでローマ帝国とその歴史を思い出してしまうのが、どうやら歴史屋の悪いクセらしい。
ローマは一日にして成らず。その歴史は長い。ちょうどキリスト紀元のはじまるころを境に、以前が共和政、以後が帝政であった。興隆したのは共和政の時代、帝政になっても、元老院など共和政の遺制が機能していた時期は、なお「ローマの平和」が続く。けれども皇帝専制になってから、衰亡の一途をたどった。
つまり共和国・元老院が善、帝国・皇帝は悪なのである。共和制を布(し)いた人工国家アメリカが、元老院ならぬ上院Senateをおくのは、はるかローマ共和政に仮託したものだろうか。
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