
今年4月のキャリア(総合職)の採用数は109人と、全省庁の中で最多の国土交通省。財務省や経済産業省のキャリア採用は事務系がほとんどだが、国交省は技術系官僚(技官)が多いのが特徴だ。そのため、技官が事務方トップの事務次官に就任できる唯一の中央官庁といわれる。

国交省は、2001年の中央省庁再編で旧4省庁(北海道開発庁、国土庁、運輸省および建設省)を母体として誕生した。「4省庁合併後に採用されたキャリア官僚には、建設、運輸の色がつかない人事が行われている。その年代が現在、課長補佐や室長になってきた。一方、幹部クラスは建設、運輸の意識が根強い」(中堅OB)という。実際、事務次官は、旧運輸省と旧建設省でポストを分け合っている。
技官で事務次官になるのは旧建設省出身の官僚に限られる。この理由について前出のOBは、「旧運輸省は観光や航空、タクシーなど部局が幅広く、事務のプロセスもそれぞれ違う。そのため、専門職の技官が省全体を束ねる次官にはなれなかった。旧建設省でそれができるのは、道路や河川など、どの部局でも政策や事務のやり方が同じだから」と解説する。
旧建設省の技官で事務次官になるのは土木系で、建築系の技官の「上がりポスト」は、住宅局長か大臣官房の官庁営繕部長といわれる。住宅局長を経て異例の出世を遂げたのが、安倍晋三内閣のキーマンの一人で(→関連記事へ)、13年から首相補佐官を務める和泉洋人氏だ。和泉氏は社会資本整備や地方創生などの成長戦略、イノベーション政策を担当する。官邸関係者は「扱っているテーマが幅広いのに、それぞれに精通している。事務処理能力が異常に高い」と舌を巻く。
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