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韓国で相次ぐトップの逮捕 歴史的な遺制か

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

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3月23日深夜、韓国の検察は李明博(イミョンバク)元大統領の逮捕にふみきった。このニュースを聞いて抱いたのは、やはり、という感慨である。率直にいって既定路線、いかに事情に通じない外野席の筆者でも予想はついていた。

一年のうちに大統領経験者が二人逮捕される、というのは、世界でもあまり類をみない。権力闘争というには、露骨すぎる観もある。それでも朴槿恵(パククネ)前大統領の逮捕・起訴を果たした当局が、同じ保守派でなお無事でいる李元大統領を放って置くわけはなかった。

そのため李元大統領も、はじめは抵抗のかまえをみせた。しかし結局あきらめたのか、縛について収監され、あわせて国民にも謝罪している。

ポストの問題か

韓国の歴代大統領は、党派の左右を問わず、在任中は同じく罪を犯し、退任後は同じく終わりを全うしない。そうなると、個々人のせいではなく、むしろ就いた地位の問題に見えるのも、なるほど道理ではある。

そこでよくいわれるのが、韓国大統領の権限がきわめて大きい、というシステム上の問題である。しかしそれだけなら、以前からわかっていることではあるまいか。「政治とカネ」など、日本と同じ言い方・扱い方しかできないのは論外だが、大統領の権限ですませてしまう主要メディアの論調にも、いささか疑問を禁じえない。

なぜ大統領・元首の地位、トップのありようがそうなるのか。李元大統領が批判したように、政権与党・対立党派の政治的報復であるなら、大統領在任中に犯罪が露顕しないのも、与党・自派の庇護があればこそである。それなら党派党争もふくめた権力構造をみなくてはならない。

門外漢の筆者には、現代韓国の政治体制、およびその制度組織の詳細について、知るところはほとんどない。しかしその動向をリアルタイムでみている感覚でいえば、既視感がつきまとう。いわゆる「旧韓末」・19世紀末の朝鮮王朝の歴史を想起するのは、けだし筆者ばかりではあるまい。

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