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ライフ #人が集まる街 逃げる街

住民重視のルールが招いた海水浴客離れ 逗子市(神奈川県)

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー
逗子市上空から相模湾方面を見渡す。右下に広がるのが「逗子ハイランド」の住宅地(northsan / PIXTA)

神奈川県逗子市は三浦半島の付け根に位置し、鎌倉市や横浜市、葉山町や横須賀市に面した人口約5.7万人の街だ。街の中央を東西にJR横須賀線が横断し、北東部から入る京浜急行逗子線の終点に新逗子駅がある。

この街には二つの顔がある。一つは高級住宅街。象徴が1960年代後半~70年代に開発・分譲された逗子駅西部の「披露山庭園住宅」だ。もう一つの顔は、昔から多くの若者を引き付けてきた逗子海岸などの海水浴場である。

披露山庭園住宅は「披露山」と呼ばれる標高100メートルほどの丘の上に開発された住宅街。眼下に小坪マリーナや逗子マリーナを見下ろせて相模湾も一望できる。

1区画当たりの平均面積は300坪を超え、建ぺい率がわずか20%といった厳しい制約を課せられている。そうして景観を守り、多くの著名人が住む「あこがれの街」として一世を風靡した。

JR逗子駅からバスで約10分かかり、そこから個々の邸宅まで徒歩でアクセスすることを考えると、利便性がいいとはいえない。それでも、このエリアでは築30年以上の中古物件でも価格帯が2.5億~4億円程度はざら。高級住宅街のブランド価値を維持している。考えてみればこの住宅街に住むのは著名人が多く、バスや電車を利用して東京に通勤するような人は少ない。そのためセカンドハウスやゲストハウスとして利用する人が多いのだろう。電車の利便性など関係ないのである。

空き家と老人ばかりの街に

ただし、この披露山庭園住宅は逗子市の中でも別格の存在。同市の問題は、もう一つの逗子の顔である海水浴場の低迷である。

逗子は都心からのアクセスのよさもあり、1960年代後半には年間200万人を超える海水浴客が訪れた。しかし2017年、その数は29万人にまで減少した。

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