リニア中央新幹線、東京外かく環状道路(外環道)をはじめ、入札には談合疑惑が付きものだ。これまでさまざまな試行錯誤が繰り返されてきたが、談合を完全に排除できる制度は確立できていない。公明正大な入札の実現は難しいのか。独占禁止法が専門で東京都入札監視委員会の委員長も務める、上智大学法科大学院の楠茂樹教授に聞いた。
──なぜ談合はなくならないのでしょうか。
ゼネコン各社が談合決別宣言をしてから10年以上が経過しても、いまだに談合が取りざたされるのは、受発注者が水面下でやり取りをする構図が残っているからだ。現場に行けば行くほど、工事をきちんと行うことに意識が向き、発注者や他社と協力しようという発想につながる。受注前のこうしたやり取りも談合にあたると認識しないかぎり、今後もなくならないだろう。
リニアについては、利益を確保しながらきちんと工事を行うためには受注調整が必要という発想が、ゼネコンだけではなくJR東海にもあったのだろう。競争入札はいちばんよい業者を選ぶシステムではあるが、受注した会社の利益は必ずしも保証しない。
工事の進捗と利益を両立するために受注調整が不可欠ならば、JR東海が自らその理由を説明し、オープンな場でゼネコンに工事を割り振るべきだった。ゼネコン側も利益が出ないなら受注しなければいい。だが結果的には、お互いに空気を読みながら水面下でやり取りをしていたために、談合と見なされた。競争入札という発注方式自体に無理があったのだ。
競争入札は万能ではない
外環道の入札では、価格より確実性という原理が根底にある。今回採用された一抜け方式は、1つの業者が予定よりも多くの工事を落札してしまい、手が回らなくなることを防ぐ意味がある。NEXCO東日本と中日本は技術を持った大手ゼネコンが確実に受注する方法として選んだのだろう。その代償として業者間の競争が失われてしまい、談合の疑義が払拭できなかった。
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