ドイツが2015〜16年の2年間で受け入れた亡命申請者の数は約123万人。これは世界最高の数字だ。
メルケル首相は15年9月に、ハンガリーで立ち往生していたシリア難民らに対し、人道的理由からドイツでの亡命申請を認めるという「超法規的措置」に踏み切った。このため一時は毎日約2万人の難民が列車や徒歩でドイツに到着。15年には約48万人、16年には約75万人が亡命を申請した。
だが難民を中央政府から割り振られた地方自治体からは、「これ以上受け入れられない」と強い不満の声が上がった。さらに難民がイスラム系テロ組織の思想に感化されて、クリスマス市場に大型トラックで突っ込んだり、音楽祭の会場近くで自爆したりするなど、治安が悪化した。
17年9月の連邦議会選挙では、難民受け入れに批判的な右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の得票率が前回選挙の2.6倍の12.6%となり、第3党に躍進する未曾有の結果となった。同党はユーロ圏からの脱退など、ドイツの戦後レジームの変更を目指しているほか、一部の党員はネオナチに近い思想を持つ。
逆にメルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)など大連立政権を構成していた3党の得票率は激減。現在、連立交渉が難航し、総選挙から2カ月以上経っても新政権が誕生しない戦後初の事態が起きている。
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