「MITテクノロジーレビュー(MITTR)」は、米マサチューセッツ工科大学を母体とする科学技術専門メディアだ。AI(人工知能)の普及などを受け、幅広いビジネスパーソンを購読者として獲得している。前職の米「クオーツ」での経験を含め、デジタルメディアの経験が豊富なギデオン・リッチフィールド編集長(12月就任)にメディアは広告とどう付き合うべきかを聞いた。
創刊に携わったビジネスメディアの「クオーツ」は良質な枠売り広告、MITTRは購読料が主たる収益源だ。両メディアが運用型広告を選ばなかった理由は二つある。一つは、運用型広告は質が低いものが多いことだ。表示される商品や表現は、読者である知的なビジネスパーソンにふさわしくない。出稿企業も、質の低い運用型広告の隣に自社の広告が表示されることを嫌がる。
もう一つは、運用型広告の単価はずっと下がり続けていることだ。出稿量が潤沢で市場全体の規模が大きいからこそ、単価はこれまでも、そして今後も下がり続ける。メディアが収益源として依存し続けるのは根本的に難しいのだ。だから優良な顧客層を持つメディアなら、運用型広告を選ぶのは賢明ではない。
私自身は編集者で、広告業務にはかかわってこなかった。だが運用型広告はクオーツが目指すビジネスではない、ということはメンバーの明確な総意だった。だから、見るに値する美しい広告だけを適切な大きさと位置で表示してきた。収益的にも昨年は黒字。今年もその延長線上にあるはずだ。細かい数字は私にはもうわからないが。
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