ルワンダには以前から強い関心を持っていた。1994年のルワンダ虐殺では、多数派であるフツが少数派のツチを襲い、国民の1〜2割にも及ぶ人がわずか数カ月の間に命を落とした。
この虐殺の特徴は、軍人でも過激派でもないごく普通の村人がマチェーテと呼ばれる山刀などを武器に、顔見知りの村人を突然襲ったという点にある。
ケニアに向かう途中、ルワンダにトランジットで6時間ほど訪れたのは2014年8月のことだった。だがオンラインビザが登録できておらず、入国できないと入国審査官が言う。
仕方ないのでおカネで解決することをにおわせたら、「それはわれわれの国のやり方ではない」と審査官にきっぱり拒否された。万事休すと思いきや、審査官氏が「どこに行こうとしているのか」と聞いてくる。ニャマタの教会など、ジェノサイド(大虐殺)関連の施設を見たいんだと強調したところ、それが功を奏したのか、特例で入国することができた。やれやれ。
妻と、ドバイからの便に乗っていた関西在住のDJだというY君との3人で空港からタクシーをチャーター。4時間半で85ドルほどと高くついたが、「時は金なり」である。
最初の目的地であるニャマタまでは車で1時間ほど。沿道には子どもや若者があふれ、「千の丘」と呼ばれる丘がひたすら続く風景を見ていても20年前に凄惨(せいさん)な虐殺があったことを想像するのは難しい。
ニャマタの虐殺現場となった教会には犠牲者の衣服の山がそのまま残されていた。国でも有数のジェノサイドの場所とはいえ、訪れる人は日に5組ほどしかおらず静まり返っている。
この記事は有料会員限定です
残り 564文字
