2027年に予定されるリニア中央新幹線の開業を控え、注目が集まる名古屋。その中でしのぎを削るのは、開発が急速に進む名古屋駅周辺(名駅(めいえき))と、以前からの一大繁華街である栄だ。
名駅では4月、オフィスや商業施設などが入居する高層ビル「JRゲートタワー」が開業するなど開発が続き、中心地としての座を栄から奪いつつある。
一方、栄に近い丸の内や久屋大通、伏見などの地下鉄駅も、ここ5年で利用者数が10%以上増加。名古屋でも中心部でマンションの増加が目立ち、これが要因とみられるが、東京や大阪の「都心回帰」とは様相が異なるようだ。
名古屋学院大学の江口忍教授は、「栄周辺にマンションが増えたのは、中心地としての地位が名駅周辺に移ってきたため」と話す。オフィスや商業ビルなどの需要が減退した代わりに、マンションが増加したというわけだ。「栄周辺は地下鉄網の利便性が高く、名古屋では住宅選びの大きな要素となる地盤も良好。住む場所としての魅力は高い」(江口教授)。

住宅地化が進む栄 名駅通勤圏に勢い
名駅と栄のバランスの変化は、周辺地域にも影響を及ぼしそうだ。江口教授は、「栄周辺の住宅地化とともに、同エリアの通勤圏の勢いは弱まり、代わって名古屋駅の通勤圏が活性化する」と見る。たとえば、名駅までJR新快速で1駅の尾張一宮駅(一宮市)や、JR・名鉄・市営地下鉄が乗り入れる大曽根駅(名古屋市東区)、駅前の再開発が進む刈谷駅(刈谷市)などは、名駅まで15分程度でアクセスできる。実際、これらの駅はすでに利用者数の伸び率が高まっている。
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