世界宗教の聖地を数々擁し、その歴史は日本でもよく知られているイスラエル。だが、人口868万のこの国が経済面、特にIT分野で世界的に注目されていることは、日本では十分に理解されていない。実は、イスラエルでは多くの起業家により、革新的な技術が続々と生み出されているのだ。
最新のパソコンは心臓部のプロセッサーに、イスラエルで開発された技術がふんだんに取り込まれている。また、これから普及することが期待されている自動車の自動運転システムでも、イスラエル企業の技術は光っている。日産自動車は「セレナ」に画像認識半導体を組み込んでいるが、これはイスラエルの自動運転システム開発企業「モービルアイ」の手になるものだ。
また、ドローン(小型無人飛行機)も、もともとはイスラエルで開発された。食の分野でも存在感が高まっており、最近日本にも進出した世界的なチョコレートブランド「マックスブレナー」は、イスラエル生まれだ。
国を守るためにイノベーションを追求
1948年の建国以来、4度の中東戦争をはじめ周辺国と対立してきたイスラエル。「国防上、経済力・技術力でも負けてはならないという意識が強い。新しいものを作り出す起業家精神とイノベーションをつねに必要としてきた」と、イスラエルビジネスに詳しい日賑グローバル社長の米山伸郎氏は指摘する。米山氏は三井物産でワシントン事務所長を務めていた頃、世界に張り巡らされたイスラエル人脈の強さを目の当たりにした。
現在、イスラエルがハイテク分野で世界トップレベルに到達したのは、「世界中から集まった移民が、イノベーションを起こす原動力になっている」(米山氏)から。移民が持つ開拓者精神や、失敗を恐れず何事にも挑戦する意欲や冒険心、創造力がイスラエル社会にはつねに強く存在しているためだ。
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