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今回の取材では、こんなケースをいくつも聞いた。
──長年勤めてようやく定年。大手企業にいたので、ぜいたくをしないかぎり生活には困らない。住宅ローンはすべて返済し、子どもたちは結婚はしていないがすでに働いている。定年を迎えたらあれをしたい、あれもできると夢想していたのに、実行に移すとなるとおっくうで、1カ月もすると暇を持て余すようになる。
家にいると妻から邪魔者扱いされるため、図書館へ出掛けてみるが、自分より年上のシニアがすでに座席を占領し、新聞コーナーでは取り合い状態。仕方なく喫茶店へ通う毎日。趣味でも始めようとするが、60の手習いではなかなか上達しない。近所の寄り合いに参加しようとしても、仕事人間だったために知り合いがおらず足が遠のいてしまった──。
まさに会社人間だった日本の平均的な企業OBだといえようか。では、そうならないために50代は何をしたらよいのだろうか。
1980年代後半のバブル期に就職した世代は50代になり、定年後を考える時期になった。このバブル世代、企業の人口ピラミッド(年齢別構成)で塊を成し、企業の高齢化をもたらしている。
記事下表は、50歳以上の社員が500人以上いる企業を50歳以上の社員の比率が高い順にランキングしたもの。その比率が4割を超す企業が7社あり、人数では生命保険会社が極めて多い。
不安な割に準備をしない現役
本誌はNTTコム リサーチの協力で、30歳以上で定年前の男性570人に、定年後の不安や定年後に向け備えていることを聞いた。
年金支給開始年齢の引き上げもあり、生活できるだけの収入が得られるのか、金銭面での不安を訴える人が8割強に達した。さらに健康面での不安が6割弱、親の介護が3割強と続く(複数回答)。
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