「日本は貯蓄大国である」といわれてきた。個人預金残高は総額447兆円、1世帯当たりの平均貯蓄は1820万円もある。一見リッチなその平均はしかし、右肩上がりの経済で蓄えを増やし、終身雇用を享受し、十分な退職金を得られた「逃げ切り世代」の中高年が引き上げたものだ。反対に働き盛り世代の多くは、借金に大きく依存しているという現実がある(記事下図表 借金苦の現実1)。
若年層とはそういうものだ、という人もいるかもしれない。住宅やら自家用車の購入やらで何かとカネがかかるものだ。時間が経てば借金も減っていくのだ、と。だがもはや、そうしたライフサイクル論だけで語り尽くせないことはここ数年の動きで明らかだ(現実2)。デフレや雇用格差の拡大によってサラリーマンの平均給与はこの20年下がり続け、貯金は一向に増えない。一方で負債は住宅価格などの上昇などによって膨張、この10年で約300万円増えている。若年層のバランスシートは悪化の一途なのである。
高騰しているのは、大学の学費も同様だ。この30年で授業料は国立大学で2倍に、私立大学で1.5倍に上昇した。一方で親の給与は上がらず、高卒者向けの雇用も減り続けている。そんな状況が2人に1人という異様な奨学金利用率を生み出した(現実3)。
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