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ライフ #生涯現役の人生学

さらば愛しのビデオよ 新しいファンに夢を

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仕事場の移転作業がまだモタついている。移動する物の処理について、私の基本方針がグラつきどおしだからだ。私は考えた。こんなことでは約束した日に、不動産業者に部屋を引き渡せなくなる。今の乱麻状況を一刀のもとに断つ快刀が必要だと。

それには処分方針を単純化すること。つまりオール・オア・ナッシング。全部残すか、捨てるか。それを本とビデオテープ類のどちらに適用するか。結局は本を残すことにした。いきおい、数百本に上るビデオは全部処分することにした。新しい仕事場に収納の余地がないからだ。

「高く売れるものもあるらしいよ」。知人がそんなことを言う。十把一からげでなく一本一本吟味して、相応の値段で買ってくれるのだそうだ。その話に乗った。まもなく驚きの結果がもたらされた。予想もしなかった額が示されたからだ。数晩の飲み代が得られる。

実を言えば、これだけは残したい、と最後まで未練を捨てきれなかった作品がある。ウディ・アレンのパリものだ。題名は忘れた。どうでもいいからだ。

オーウェン・ウィルソン(ロバート・レッドフォードのそっくりさん)主演。婚約者とその父母とともにパリに観光に行くが、微妙に生き方の差を感じ始める。ウィルソンはしだいに孤独に陥る。ある夜一行と別れて、ホテルの場所さえわからなくなった彼は、パリの迷子になる。途方に暮れて街角にうずくまる彼の前に、1台のタクシーが止まる。中から客が乗れと言う。作家志望の彼は驚く。招き入れたのが『偉大なるギャツビー』の作者、フィッツジェラルドだったからだ。連れていかれたバーでは、ヘミングウェイが大口をたたいている。ロートレックがやってくる。ユトリロも来る。セザンヌも来る。ピカソも来る……。

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