ホワイトハウスの正面にあるラファイエット広場に立った。
スマートフォン片手の観光客に交じって、中絶反対論者が中絶によって命を絶たれた胎児の生々しい写真を展示している。が、関心を示す人は多くない。
3月に筆者が訪れた日の10日ほど前には26歳の男がさくを乗り越えて侵入する事件が起き、低い可動式のさくが追加で設置された。屋上ではスナイパーが24時間見張っているそうだが、先述の男が拘束されるまでに16分を要した。どうも脇が甘い。
本当はホワイトハウスの中を見学したかった。しかし2001年9月11日の同時多発テロ以降、日本大使館かワシントン駐在の大手メディアの強力なコネがないと難しい。毎年4月と10月に実施されるガーデンツアーに限り、建物は無理だが敷地内には入ることができる。
ワシントンDCのナショナルギャラリーにはフェルメールの絵が4点あるが、2点はルーブル美術館に貸し出されていた。残り2点を人々がどう鑑賞するのかしばらく観察していたところ、絵画の目の前で、いちべつもせずにスマホに没頭する白人青年がいた。
この日の夜は妻と、ミシュラン二つ星のレストランに併設されたバーミニというカクテルバーへ。
22時15分と遅い時間の予約だったので、アルコール抜きの客単価が4万円というレストランから流れてきた客でにぎわっている。見るからに裕福なWASP(White Anglo-Saxon Protestant)の男女。そこに「セックス・アンド・ザ・シティ」を地でいくような東洋系米国人の女性4人組がやってきてハグをし合う。そのうちの一人は叶姉妹のように胸の谷間を強調している。あの4人の間にも苛烈なマウンティングがあるのだろうか……。
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