2月に開かれた米アカデミー賞授賞式。そのプレイベントでの、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(写真左)による発言が波紋を広げている。「昨年7月、彼が長編映画の企画書を持ってきた。今、東京で作っている」。彼とはもちろん、宮崎駿氏(写真右)だ。昨年11月のNHK番組で自ら長編構想に言及したこともあり、業界関係者は「本当に作るのか」と騒然としている。
宮崎氏は2013年に長編映画制作からの引退を表明。14年には制作部門の解散が発表され、多数のスタッフが解雇された。スタジオジブリは現在も法人としては継続しているが、主たる機能はジブリ美術館の運営など制作以外の業務だ。
誰が作るのか?
ジブリについて、業界にはこんな言葉があった。「日本には2つのアニメ会社しかない。大日本アニメ制作会社とジブリだ」。前者はあらゆる制作会社が、同業による下請けや低賃金のフリーランスの動員を前提として、業界ぐるみで制作する慣習を揶揄している。この中でジブリだけが社員でほとんどの作業を手掛け、ずば抜けた興行成績を残し、社員に高い給与を還元してきた。ジブリは安定した雇用環境が価値の創出に寄与することを体現してきたアニメスタジオでもあった。
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