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鷹山は積極的経営者だった、という話 「リストラの名人」は誤ったレッテル

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国内各地に支社・支店を持つPR会社から講演の依頼が来た。テーマは「上杉鷹山の改革における、トップリーダーの徳と品性の保持」というものだ。私にとっては積年の鬱憤を晴らす絶好のテーマだ。なぜなら一般的に鷹山は、“リストラの名人”というようなレッテルを貼られてしまっているからだ。

鷹山は積極的経営者だ。彼の改革目的はあくまでも拡大再生産だ。そのために技術革新も行うし、先行投資も行う。

「その費用を生むためにムダを省こう」というのが、彼の倹約論なのだ。そこで冒頭にこのことを話し、「ケチと倹約は違います」と告げる。両者とも節約はする。が、節約によって得た剰余金の使い方によって両者は分かれる。ケチは自分のためにしか使わない。倹約は客のために使う。「前者がケチで後者が倹約です」。これは私が、江戸時代の大坂商人の作家である井原西鶴の『長者丸』を勝手に解釈した考え方だ。

そして「企業の財政危機は非常のときであって、通常時の感覚では克服できない。成員全員がこの非常意識を持つ必要がある。持たせるのがトップリーダーだ」と、少しずつ求められているテーマに接近していく。

鷹山には改革論のテキストを書いたブレーンがいた。細井平洲という折衷学者だ。つまり諸学の“いいとこ取り”をして役立てようとする実学者だ。平洲は「改革の目的はあくまでも民(企業なら顧客)を富ませるためのもので、藩主や藩士のために民は存在してはいない。民のために藩主や藩士が存在しているのだ。そう自覚を持つ必要がある」と強調した。この愛民の姿勢が“徳”そのもので、徳の保持がそのまま“品性”につながっていくと話す。

そして平洲は「この徳を保持し続けるには勇気が必要で、主は勇あるのみ」と言い切る。

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