花粉症対策として、民間療法(代替医療)を活用する人は多い。厚生労働省の研究班が10年ほど前に行った調査では、アレルギー性鼻炎患者のうち19%が何らかの民間療法を取り入れていた。ここ数年は、ヨーグルトや乳酸菌剤が人気を集めている。
下図は、主な民間療法の効果を、患者の実感値で表したもの。漢方(医師の処方によらないもの)や鼻スチーム療法などで40%以上の有効率が示されている。ただ、効果がないと評価している人も同程度おり、個人差が大きいようだ。
花粉症に効果があるとうたうには、当然、有効性を示す必要がある。医薬品の開発では、患者や医師が区別できないようにして薬物とプラセボ(偽薬)を投与する試験を行う。
しかし民間療法の多くは、このような科学的評価は行われていない。費用や時間がかかり、試験の方法が簡単ではないためだ。薬と違って効果は期待できないのだろうか。
医薬品ではないが食品の中で、試験で効果を確認している数少ない事例がヤクルトにある。20年以上も前からアレルギーに対する「乳酸菌シロタ株」の飲用効果に着目して研究を続けている。
乳酸菌シロタ株には、アレルゲンと結合してアレルギー症状を引き起こす、IgEの産生を抑える効果のあることが動物実験で明らかになっている。
そこでスギ花粉症の109人を無作為に二つのグループに分け、一方には乳酸菌シロタ株を含んだ飲料を、他方にはプラセボ(乳酸菌シロタ株が含まれていない飲料)を1日1本、8週間飲用させた。
結果は、花粉飛散量が増加するに従ってどちらの症状も悪化した。しかし乳酸菌シロタ株飲料を飲んだ人のほうが、重症化するタイミングが1週間ほど遅かった。花粉症の症状を軽くすることはできなかったが、1週間程度、悪化を遅らせる効果が認められた。
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