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南シナ海で米潜水機奪った中国軍の暴挙の深層 「一つの中国」否定発言で高まる米中の緊張

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  • 小原 凡司 笹川平和財団上席フェロー
米海軍が南シナ海で運用したT-AGSの調査船。12月20日、無人潜水機は米側に返還された(Courtesy U.S.Navy/ロイター/アフロ)

2016年12月15日、中国海軍救難艦が、フィリピンの西方約90キロメートルの海域で、米海軍海洋調査船が運用していた無人潜水機を回収した。同17日、中国メディアは、中国当局がこれを認め、「正体不明の装置を発見し、航行安全問題の発生予防のため識別調査を行った」と報じた。正当性を主張したのだ。

中国が米軍の装備を「押収」したのは、01年4月に米海軍情報収集機が、中国戦闘機と衝突し海南島に不時着して以来であるという。

しかし、このときは、米軍機が中国領土への不時着を余儀なくされたのであり、中国が自らの意思で米軍の装備を奪ったわけではない。米軍が運用中の装備品を、しかも公海上で奪うという暴挙はこれが初めてだ。

この無人潜水機は、10年ごろから米海軍が試験を行ってきたものである。当時の米海軍のニュースによれば、この無人機は深度1000〜3500メートルの水温、圧力、塩分濃度などを計測できる。

水中を機動する潜水艦を探知するためには、「音」が用いられる。しかし、音波は水中を直進するわけではなく、水面か海底へ曲がっていく。この二つの間には、音波が届かないシャドウ・ゾーンが生じる。

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