韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が追い込まれている。国会からは弾劾による職務停止を、国民からは速やかな辞任を求められ、支持率は4〜5%台という史上最低水準にまで落ち込んだ。親友で実業家の崔順実(チェ・スンシル)被告による国政介入事件の衝撃はすさまじく、毎週末、首都ソウルでは100万人以上の反政府デモが続く。
しかも今回のスキャンダルには、韓国の財閥企業が軒並み深くかかわっている。もはや政治の腐敗ではお約束の存在である。
崔被告がかかわる財団への資金提供や崔被告の娘に対する不正支援、2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪関連事業での不正受注など、サムスンやSK、ロッテ、ハンファなど韓国を代表する財閥企業の関与が発覚した。
12月6日に開かれた国会の聴聞会ではサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長など財閥経営層らの顔がずらりと並び、議員から厳しい追及を受けた。
社会的混乱が深まる中、実は韓国経済そのものは踏みとどまっている。15年のGDPは2.6%の成長だった。韓国の潜在成長率とされる3%台半ばには届かないものの、ここ数年は2%台半ばを維持している。日本総合研究所の向山英彦・上席主任研究員は「住宅建設投資や個人消費など内需が下支えしている」と説明する。
韓国の景況を推し量る材料となる輸出額も、今年11月は前年同期比2.7%増(速報値)で3カ月ぶりにプラスに転じた。半導体など主力輸出品の単価が上昇し、中国向け輸出額が増えた。
今年9、10月とサムスン電子のスマートフォン新製品の生産停止や韓進(ハンジン)海運の破綻による物流の混乱が発生したが、その影響も徐々に弱まりつつある。
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