冬のボーナスの時期が近づいてきた。人々にとって関心の高いテーマだけに、すでにいくつかの機関が調査結果を発表している。昨年比の伸び率が注目されるが、大手に限れば1%程度の微増という結果が出ている。大手企業のボーナスによる利益還元も一段落し、昨年に比べて微減を示す調査もある。政府が来年の春闘に対して並々ならぬ関心を示す中でのボーナス水準としては、意気が上がらない結果だ。ボーナスという制度そのもののあり方について考え直す時期かもしれない。
歴史をさかのぼれば、ボーナスの仕組みは、すでに明治期の大企業に見られるようだ。その多くは職員身分に対する功労褒賞的なもので、企業の利益分配の側面が強かった。その後、支給対象が工員を含めた全社員に拡大するとともに、団体交渉の下での労使決定事項とされたが、企業利益の配分という基本的な側面は受け継がれていった。
そのボーナス制度が世界的な脚光を浴びたのは、日本企業のプレゼンスが際立った1980年代だった。特に米国の経済学者ワイツマンが著書『シェア・エコノミー』で、スタグフレーション克服のために売上高に応じた伸縮的な賃金制度を提唱するとともに、日本のボーナス制度を好意的に評価したことが大きかった。企業の利益が低下する不況期にはボーナスが縮小することで雇用コストが低下し、雇用の安定が達成されるという日本型の賃金調整は、当時高失業にあえいでいた西欧諸国にとって魅力的であったに違いない。
確かに、ボーナスが日本の賃金の伸縮性を高めたことは間違いない。近年で最大の不況はリーマンショックだ。2008年から09年にかけて大卒男性の月例賃金の低下幅は2%だったが、その間ボーナスは15%も下落した。ボーナスによる調整がなければ、日本の失業率はより高い水準になったと思われる。
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