働く意味がそもそもわからない。そんな学生へ『働くことがイヤな人のための本』など労働に関する著書も多い哲学者から、心がちょっと軽くなるアドバイス。
──多くの学生は「働くのが嫌な気持ち」を抱いていると思いますが、どのように折り合いをつけていけばいいのでしょうか。
私も子供の頃から「大人たちはなんてつまらなそうなんだ!」と思っていた。会社は一定の規則の下で利益を追求する単純な世界であり、結果でしか人を評価しない残酷な世界だ。人間が本来持っている多面的な考え方や懐疑精神、パスカルの言うところの「繊細の精神」は、会社の世界では必要とされない。
「こんな製品を作っていて何になる?」という根源的な疑問は、口に出してはいけない。自分の仕事がさも有意義であるかのように振る舞わねばならない。でも、仕事そのものが面白い人なんてそう多いものではない。ただ給料をもらえたり、人から評価されたりするから働き続ける人が圧倒的多数だろう。
かといって会社にうまく適応している人を「不純だ」と軽蔑して、「俺は純粋だから会社に適応できない」と拒絶する人にも違和感がある。自分を純粋だと思っている人が不純な人を下に見る不純さというのもあると思う。
──中島さんは、10年以上迷った末、哲学者を職業とされました。
私は、なぜ生きるのか、死んだらどうなるかという問いに結び付く仕事をしたいと思っていた。ほかの人と交換不可能な自分だからできることをしたかった。
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