人口減少で量的成長が望めない国内食品業界。だが、他社に先駆けてグローバル化に成功し、今では営業利益の7割(2016年3月期)を海外で稼ぐ企業がある。来年に創業100周年を迎える老舗しょうゆメーカー、キッコーマンだ。
海外展開に死角はないのか。国内事業の成長性はどれほどか。13年から同社トップを務める、堀切功章社長に今後の戦略を聞いた。
──海外食品事業の営業利益率は19%(国内は4%)に及ぶ。なぜ海外の収益性がこれほど高いのか?
主力のしょうゆは、国内では家庭にあって当たり前の製品で、メーカーも多い。成熟市場であるため価格競争もあり、採算が取りにくい。
一方、海外ではまだまだ新しい製品。成長する市場の中で圧倒的なシェアを持つため、国内よりも好採算だ。米国の家庭用しょうゆ市場の6割近くを当社が占めている。
──海外事業のリスクは?
現時点で業績悪化などのリスクはあまり考えられない。欧州やアジアでもシェアは高く、新規参入の余地もないと思う。もちろん、ケチャップやソースなど、しょうゆ以外の調味料との競争はある。タイやベトナムでは魚醤(ぎょ しょう)が浸透している。日本のしょうゆならではの新しい価値を理解してもらうことが重要だ。
一方、海外のもう一つの柱である食品卸売り事業は日本食に対する関心の高まりで飲食店が年々増えている。ただ、競争があり、新規参入も増えているので、45年を超える海外の経験とノウハウを生かし、商品開発や調達、物流面で差別化していく。
──理想とする海外比率は。
営業利益の7割が海外というのは、海外に頼りすぎている。売り上げ比率と同じ、6割くらいが健全だと思う。海外は成長市場であるから、売り上げはもっと伸ばしたいが、そのためには国内でしっかり稼げるようにしなければならない。
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