私立校に比べ、予算や人材面で不利な公立高校。それでも何年かに一度、公立勢が甲子園で活躍することがある。都立校では1999年、2001年夏の城東高校、03年夏の雪谷高校の甲子園出場や、14年春の小山台高校の21世紀枠出場がそうだ。秘訣はどこにあるのか。
都立校の場合、監督など指導者たちが任意団体として「高校野球研究会」を作っている。毎年オフの1日に会合を開き、お互いの苦労や工夫した点について意見を交換している。
技術的なことよりも部費の分配や練習環境づくりなどのテーマが多く、高校内の事務方である経営企画室との連携も話題になる。外部コーチの要請の承認や、顧問の確保など、学校側とのコミュニケーションは欠かせない。父母会や保護者会とどう付き合うかも大事なテーマだ。
01年に城東を甲子園に出場させ、現在は母校の文京高校で指導する梨本浩司監督は「都立校の場合、野球部に入ってくる子は限られます。能力も普通ですが、まずは学校生活に慣れさせるところから始めます。文京はホームルーム合宿があるので、高校生活の基本を知ってもらいます。そこから、ある程度の覚悟を持って部活動に取り組んでいくように指導します」と語る。学校生活に野球を自然になじませ、質の高い野球に取り組む姿勢を強調する。教育の一環としての部活動に大切な要素である。
試合前の手書きボードが効く
今春、東京都大会で早稲田実業学校高等部を下して注目を浴びた昭和高校の森勇二監督も研究会のメンバー。野球部活動が自由な校風を引っ張る意識で指導している。「全校生徒が応援する野球部の意識を作らなくてはいけません。かつては茶髪の生徒も多かったが、野球部はけじめをつけて行動していく。だから、茶髪では応援に来てくれるな、と部外の生徒たちにも言ってきました」。
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