今、世界中で供給が追いつかないほど絶好調の富士重工業。商品では4輪駆動車やSUV(スポーツ多目的車)、地域も北米に集中したことが奏功し、営業利益率は17.5%と業界トップだ。ただ、環境対応車など新技術開発の負担は増すばかり。輸出比率の高い富士重には円高リスクも付きまとう。英国のEU離脱が決まる前日、吉永泰之社長が語った懸念とは。
──三菱自動車が日産自動車との提携関係を深めた。同じく中規模の富士重も開発負担が増している。
中規模メーカーには最先端の技術をすべて開発する力はないので、アライアンスは必須だ。当社もトヨタ自動車にプラグインハイブリッドの技術を教わっている。一方、どの中規模メーカーも自立していたいと思うのは当然。だから中規模のメーカーは皆、大手に規模でかなわない分、ブランド力を高める戦略に走る。
──ブランド力とは何か?
「スバルだったら5万円高くても買う」と顧客に言ってもらえるだけの付加価値を生み出すことだろう。スバルブランドを磨くことが最優先という意識を全社員が共有するための活動を続けていく。
現在、販売は好調で納車も3カ月待ちなど、供給が追いつかないほどだ。私が経営企画部長のとき、企業価値は約4500億円だったが、今は約3兆円。どこかの企業が簡単に手を出せる額ではなくなった。
──米国の景気が落ち込めば歯車が狂うおそれもあるのでは?
足元でその心配はないが、今後景気が落ち込むことがあれば、工場の操業度を落とそうと考えている。操業を維持することが目的になって在庫を積み増せば、無理な値引き販売で付加価値のビジネスモデルを壊してしまう。課題は、そうした判断を、現場のトップが私に尋ねなくともできるようにすることだ。
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