2016年の大学志願者動向を見ると、センター試験が前年比0.8%増、国公立大が同0.6%減とそれぞれほぼ横ばいだった一方、私立大は4%以上増えた。「私大人気」の理由として、企業の大学新卒採用の好転が挙げられる。
08年秋に起きたリーマンショック以降、企業の採用は冷え込んだ。そうした中でも医、薬、看護はもちろん、理工、農などの理系学部出身者の就職は堅調だった。就職が厳しかったのは文系学部だ。そのため大学入試では理系人気が高く、文系人気が低い「理高文低」になった。
今年も文系人気で私大志願者が増加
就職を考えながら大学や学部を選ぶのは、今や当たり前のことだ。それが14年から文系卒業生の就職が上向き、15年入試から文系人気が復活。「文高理低」に変わったのだ。今年の入試でも、さらに文系人気が高まった。私立大は文系学部の定員が多いため、文系人気=私立大人気となり、今年は上位校だけでなく、満遍なく志願者が増えた。
学部系統別志願者状況を見ると文系人気がはっきりする。トップは20%増の心理で、理系の獣医や看護が続くが、そのほかの上位には政治・政策、法、人間・人間科学、国際などの文系学部がずらりと並ぶ。逆に下位は理系が多い。心理が伸びたのは、立命館大学が総合心理学部を新設し人気を集めたことが大きい。
文系人気の中で3年連続志願者トップとなったのは近畿大学だ。10年前と比べても125%増と、2倍以上に増えている。今年は新設の国際学部(定員500人)も人気を集めた。クロマグロの完全養殖のほか、ウナギ味のナマズなどの研究成果を、受験生や保護者にわかりやすく伝えたことで注目度が高まった。広報力の高さが功を奏した格好で、卒業生のつんく♂がプロデュースした入学式も話題になった。
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