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3年間の移行期を経て、4月に不妊治療の助成新制度が完全施行された。対象者は特定不妊治療(体外受精および顕微授精)以外の治療法では妊娠の見込みがないか、極めて少ないと医師が判断した夫婦だ。初回の助成上限額は30万円と従来から倍増。男性不妊治療で精巣から精子を採取する手術(Micro-TESE)への助成も新設された。助成額や対象となる治療が増えたことで患者には追い風かといえば、そうでもない。
というのもよく見てみると、初回の助成金こそ増額されたが、通算助成回数は10回から6回(初回40歳未満の場合)に削減されている。助成金総額では45万円減額された計算だ。6回という数字は体外受精で出産した人のおよそ9割が6回以内で出産しているというデータに基づいている。
過去には助成金の減額も
患者から見ると不可思議な制度改正は以前もあった。体外受精してできた胚(はい)(受精卵)を凍結し、しばらく保存した後に移植する凍結胚移植の場合の助成金が2013年4月、15万円から7.5万円になったのだ。受精卵を凍結させる理由は、体外受精をする際に卵巣から卵子を複数採ることが多いからだ。一度の月経周期で複数の受精卵ができるが、子宮内に移植するのは基本的に1つ。残りは次回周期以降に移植するまで凍結保存しておく。この凍結保存した受精卵を融解して移植する場合の助成金が減額対象になった。
採卵しなければ排卵誘発剤などを使う必要がなく、トータルの費用は下がるため、助成金の減額は問題ないように映る。ただ凍結胚移植では移植費用に加えて、凍結保存の維持コストがかかり、15万円以内で済むことはほとんどない。
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