「ここ3〜4年、中高年のスポーツ愛好家の患者が増えている」。そう指摘するのはスポーツ整形を手掛ける東馬込しば整形外科(東京都大田区)の柴伸昌院長。運動=健康的というイメージがあるが、その一方で、特定の部位に慢性的に負担がかかることで痛みの症状が出るスポーツ障害というリスクがある。特に中高年は加齢により、柔軟性・筋力の低下や背骨が曲がるなどの問題を抱えていることがある。それに気づかず、若い頃のように体を動かした結果、かえって健康を損なう人が増えているようだ。
たとえば、日本人は加齢とともにO脚になる人が多い。そういった人がジョギングを日課にすると、脚の外側の筋肉に繰り返し負担がかかり、ひざの外側が痛くなる腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)炎になりやすくなる。また、膝関節の軟骨がすり減る変形性膝関節症も、中高年のジョガーが警戒すべきリスクだ。初期ではひざのこわばり程度だが、ジョギングでアップダウンを繰り返すと、加齢でただでさえすり減っている軟骨がさらに摩耗し強い痛みを起こす。これで日常の歩行にまで影響が出るケースもある。
人気が高まる一方の自転車も要注意だ。加齢によって頸椎(けいつい)が徐々に変形していると気づかないまま、スポーツサイクルに付き物の前かがみで首を後ろにそらせる姿勢を続けると、首の痛みや手のしびれが出る頸椎症を発症することもある。
順天堂大学医学部の池田浩先任准教授(スポーツ医学)は、しっかり運動したい人向けの予防策として「医師によるチェックを受けて、事前に自分のリスク要因を把握しておくこと」を推奨している。また、運動前後のストレッチ、保冷剤などを使った運動後のアイシング(15〜20分程度が理想)、足の形に合ったインソールを運動シューズに入れることなどは、年齢にかかわらず心掛けたいことだという。
この記事は有料会員限定です
残り 578文字
