普通社債の発行市場において、日本銀行によるマイナス金利政策導入の影響が顕著になってきた。2016年度に入り、事業会社による年限10年を超す超長期債の発行が急増しているのだ。
5月には、トヨタ自動車が18年ぶりとなる20年債を発行。野村不動産ホールディングスも同社として初の20年債を起債した。6月に入ってからも、大和ハウス工業などが相次いで初の20年債の発行を決めている。
マイナス金利の導入当初は企業側、投資家側とも、その影響を読みあぐね、社債の発行市場が混乱。16年1〜3月の落ち込みは顕著で、15年度の社債発行額は6兆9412億円と、06年度以来の低水準となった(図1)。
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ただ新年度に入り、「需給双方でマイナス金利政策に対する認識が固まり、年限を延ばすなど、よりリスクを取る動きが出てきた」(野村証券の石田輝彦デット・キャピタル・マーケット部長)。
新発社債の利率は日本国債の利回りに一定のリスクプレミアムを上乗せして算出するのが基本。これまでのように国債の利回りがプラスの下では、まず投資家のリスク許容度が基準となり、低い利率で年限の長い社債を発行できるのは、電力や鉄道など信用力の高い企業に限られていた。
が、国債の利回りが水面下に沈む中、従来モデルでは社債の利率もマイナスとなる。そこで現在は、投資家の運用のために最低限必要な利回りのほうを基準にして発行が決められるように変わってきた。その結果、信用力の低い一般事業会社も、これまでより低い利回りで超長期債を発行できるようになった。
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