今回の報告書は、経営者を含めた東芝関係者に対する言葉は厳しいものの、核心には迫れておらず、中身は空っぽ。この問題は監査法人の責任を問わずして語れない。不適切な会計を適正なものとして公表するには、監査法人を意図的にだますか、見逃してもらうかの2とおりしかないからだ。
経営者に不正の認識があったか否かを判断するには、監査法人をだますように指示した、もしくは見逃してもらえることを知っていた、という証拠が必要となる。しかし、報告書では「会計監査法人の監査の妥当性を調査することは目的としていない」と、この問題に立ち入らないことをわざわざ断っている。
報告書が経営者の不正指示の例として挙げているのは、「3日で120億円の営業利益の改善を強く求めた」といった社内の証言。だがこれでは、「あくまで適切な会計処理の範囲内で行うことを前提としていた」と、弁解するのは可能だ。
そもそも、2008年度から14年度にかけて累計1500億円を超える修正が必要となった不適切会計に、監査法人が気づかなかったということはありえるだろうか。監査法人を調べ直さないかぎり、真実は闇の中。田中久雄社長は責任があいまいなまま、辞任することになった。
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