3月22日、過激派組織「イスラム国」(IS)のテロリストたちが、ベルギーの空港と首都ブリュッセル中心部の地下鉄で爆弾攻撃を実行。欧州の心臓部を機能マヒに陥れた。報道によれば、30人余りが死亡し、負傷者は230人以上に達した。
テロが発生したのは、現地時間の午前8時ごろだ。空港の中でも、誰もがアクセスできる出発ロビー付近と、朝のラッシュアワーの地下鉄だった。2015年11月に起きたパリ同時多発テロ以降、大勢の人が集まり警備の難しい「ソフトターゲット」を攻撃して、最大限の被害を狙う手法は、ISの都市部でのテロのパターンになった。
ISの狙いが、市民を恐怖のどん底に突き落とし国際メディアで大々的に取り上げられることだったとすれば、目的は達成されたことになる。
警戒中に起きたテロ
テロ専門家の間では、ブリュッセルの危険性は共通認識となっていた。パリ同時多発テロの実行犯の多くが、ブリュッセル郊外でイスラム系移民が多く住む、モレンベーク地区の出身者だったからだ。
このエリアは、無職で現状に不満を持つムスリムの若者たちの多さに加え、犯罪率の高さ、麻薬や武器密輸の拠点であるアントワープとの近接性などの条件が重なり、ISの活動を容易にしていた。
それでも、ベルギー警察はいくつものテロ計画を察知し、ISのメンバーや、戦闘員の勧誘を行っていた協力者たちを逮捕してきた。
3月19日にはパリ同時多発テロ実行犯の一人、サラ・アブデスラム容疑者も逮捕しており、ベルギーのシャルル・ミシェル首相が「テロとの戦いにおける成功だ」と述べたばかり。今回のテロはこの勝利宣言をあざ笑うかのようなタイミングで発生している。
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